オリーブの剪定・管理

オリーブの剪定管理

オリーブ樹は地下植えしますと、陽当りのよい場所では5年〜8年程で4m以上に成長します。

 

そうなりますと、オリーブは多少の剪定が必要となります。 しかし・・・

 

ひとくちに剪定と言っても、庭木として樹形を整えるのと、オリーブの実を生産・収穫する為の剪定は少し違います。

 

ここでは、『格好良く、住宅の庭に適したオリーブ』にする為の剪定を解説致します。

時期的には、『樹木』としましては、6月〜7月頃に一度、2〜3月頃にもう一度、軽く剪定して頂くのが理想です。

オリーブ樹の剪定例 1

放任されたオリーブ樹

植えてから10年以上経つ、放任されたオリーブ樹です。

 

隣の壁にも触り強風時には倒れる恐れもありますので、

整枝と強い剪定を施します。

無駄枝を除去したオリーブ

絡み合った枝を抜き、無駄枝を除去した結果、

ここまでになりました。ちょっとすっきりし過ぎました(^-^;)

が、あまりに放任しますと一度はこうしませんと
今後のおさまりがつきにくくなります。

時間にして1時間超、刈枝葉は大きいゴミ袋3袋です。

こうしておきますと次からの剪定はもっとラクです。
来年春〜夏には格好の良いオリーブになってくれます。

オリーブ樹の剪定例 2

オリーブ

植えてから10年経つ、毎年剪定しているオリーブ樹です。

オリーブ剪定

ここまで切っても1年しますと、上画像のようになります。

<2014年剪定>

オリーブ樹の剪定 時期

オリーブ樹には、収穫の為の剪定と、樹形を美しく保つ為の剪定があります。

収穫の為の剪定では、春から夏に多くの新芽を展開させ、次の年に多花・豊作をさせるように、2〜3月頃に1回 剪定をします。

 

しかし、一般家庭でのオリーブの剪定では、早春だけですと年間の殆どが大きく伸びきった状態で、夏から秋にかけての

台風シーズンなどを向かえるのはリスクがありますので、夏前に軽い剪定をし、2〜3月にも軽く剪定をする

年2回の剪定をお勧め致します。

オリーブ樹の一年
4月〜5月 6月〜7月 8月〜10月 11月〜3月
開花 <施肥> <軽い剪定>  結実

<軽い剪定>

生育期 休眠期
オリーブの剪定に使う道具
ガーデニング鋏7インチ金止

ガーデニング鋏

 

植木鋏と剪定鋏の長所を併せた、オリーブの剪定に適した「切るよろこび」
を感じられるプレミアムなハサミです。

サボテン・エクセレント EX-1

剪定鋏

 

一般的に径1.5p位までの枝を切るのに用います。

ある程度本格的に選定作業をするには、やはり良い道具を使いませんと

効率が悪く、枝を切る作業自体にストレスを感じてしまいます。

価格は1000円以下から4000円位までで、価格の差はやはり

切れ味と切断能力、刃や持ち手の強さなどで、価格に比例します。

 

画像のサボテン・エクセレント EX-1はサボテン社のトップモデルで

20ミリまでの枝を切断でき(握力が要りますが)、切れ味が持続します。

アルス剪定ノコ

剪定のこぎり

2p以上の枝を切るには、剪定鋸が必要となります。

こちらは超コンパクトなアルス社製の折り畳み式剪定ノコ

いちいち鋸を取りに行かなくてもよい携帯性が重要です。

脚立

高枝切り鋏

ほうき・ゴミ袋 等

脚立や高枝切り鋏は、オリーブの樹高に応じて使用して下さい。

 

とくに脚立をご使用の際には、足場のしっかりとした場所に設置して

無理をしないよう安全に充分配慮して作業をして下さい。

 

大きいオリーブの場合は刈り枝葉も多くなります。

オリーブの剪定  概要

樹冠

 

まず樹冠全体を眺め、仕上がりをイメージします。
この作業は、剪定の途中でもたびたび行う方がよろしいです

 

オリーブ樹の近くでばかり作業をしていますと

全体のバランスが判らなくなります。

 

『離れて眺めては、切るべき枝葉部分を見定めて、近づいて剪定する』

を繰り返して下さい

バランス



左右バランスはもちろんのこと、上下、前後など全体をよく観察しながら

 

剪定していくことが肝要です

枝葉の密度をみる


枝葉の密度も大切です。

 

樹木全体に万遍なく枝葉が配されるのが理想ですので

 

少し樹木から離れて観察し、枝葉の濃い部分の無駄枝を

 

枝抜きしていきます。

切ってもよい (一般的にいう無駄な) 枝 一覧
徒長枝

徒長枝

 

主枝の途中から徒長気味に勢いよく伸びる枝で、放っておくと
主枝への養分が不足します。また樹形も不自然になってしまいますので

切除する対象になります。

逆さ枝

逆さ枝・内向枝

 

幹から外側に向かってやや上向きに伸びる枝が、正常で健全な

枝の伸び方ですが、枝の中にもひねくれものがおりまして

幹の方に戻ってくる枝を逆さ枝、または内向枝と呼びます。

これらは樹形に不自然さを醸しますし、やはり主枝の生育の

妨げにもなりますので、殆どは切除した方がよろしいです。

下垂枝・内向枝

下垂枝

 

下向きに出た下垂枝も、あまり沢山ありますと、

樹形全体がだらりとした感じに見えますので、オリーブの場合は

ほどよく切除した方がよい枝です。

 

しかし、枝垂れが特徴の植木の場合は下垂枝を切りますと

元も子もありません。枝垂れウメや枝垂れ桜などは

これを伸ばしてナンボです。

 

 

胴吹き・ひこばえ

胴吹枝・ひこばえ

 

幹から細く弱々しい小枝が出ている場合は、胴吹枝といい、

切除した方がよろしいです。但し

付近に主枝が無くさびしい感じになっている場合は、

これを大切に伸ばしましょう。

 

また、地際から生える小枝はひこばえといい、根に近い分、養分をよく

吸収しますので、これは潔く切除して下さい。放っておくと

幹への養分が減少し、樹勢が弱まってしまいます。

交差枝・かんぬき枝

交差枝・かんぬき枝

 

枝と枝が交差している現象を交差枝と呼び、一般的には

弱そうな方の枝を切除します。

 

また、幹の同じ高さのところから双方向に出る枝を

かんぬき枝と呼び、植木の仕立ての場合は

どちらか一方を切除します。

並行枝・罹病枝

並行枝・罹病枝

 

幹の近いところから同一方向に伸びる枝を並行枝といい

植木仕立ての場合はどちらか一方を切除します。しかし

ヨーロッパなどでは並行枝を利用し壁面状に仕立てるトピアリー(整形樹)

もありますので、必ずしも切らなくてはならない枝ではありません。

 

見るからにムシ喰いのような枝は、罹病(りへい・りびょう)枝といい

こちらは切除して下さい。

くるま枝

くるま枝

 

枝の一ヶ所からくるまのように伸びる小枝をくるま枝と呼びます。

これらは、養分を分散しますし、くるま状の部分の葉が混み合い過ぎますので

1〜2本に間引く方がよろしいです。


懐枝 ふところ枝

主枝の狭間に弱々しく出る枝を懐枝と云います。
混み合い過ぎている場合は、懐枝を切除すると風通しが良くなります。

これらの、一般に無駄枝と呼ばれる枝が、オリーブ樹の剪定の場合も切除する候補になります。

 

しかし 『オリーブの剪定 概要』 で説明しましたように、一番大切なことは全体の樹冠とシルエット、枝葉の濃淡です。

これらを最適にするように、樹形全体をよく観察しながら、無駄枝の候補を慎重に切除していって下さい。

 

無駄枝の公式に当てはまるからと、早計に必要な枝を切ってしまいますと、樹冠や枝バランスが損なわれてしまいます。

切除する前にその枝を持って揺さぶってみます。そしてその枝が無くなったところを想像してから、切除して下さい。

 

オリーブ樹の剪定は、技術というよりセンスが必要となります。

従いまして、貴方が本職の植木屋さんより上手に、ご自分のオリーブを形づくることも可能です。

 

オリーブ樹をお家に植えられている貴方は是非、マイオリーブを剪定する楽しみをお知りになられて

唯一無二のオリーブをご愛育下さいませ。

 

毎年剪定しているオリーブの木 このオリーブは、別の場所で毎年剪定しているオリーブの木です。

このオリーブ樹も夏には一番上の画像のようになりますが、
10月頃にはこのように剪定します。

このように枝抜き剪定することで
道路へのはみ出しを抑え、強風による転倒を防ぎながら
美観を損うことなくオリーブを育成管理しています。
大きめオリーブ樹
お家のシンボルに
中〜小サイズオリーブ樹
ご贈答にもGood!

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